∴ Short Story
#05 夜明け
SE:カンカンカンと時計塔の階段を上っていく2人
5_1 レノ「もう少しだ・・・」
5_2 アルバ「あぁ・・・きっとここにシャドウが!!」
SE:キーっと戸を開き、一番上の時計塔の階についた、どっと風が入り込んでくる
5_3 レノ「でっけー! 街が見渡せるぞ・・・街の明かりが夜空の星みたいだ・・・」
5_4 アルバ「きっとここにアイツが!」
5_5 シャドウ「アイツで僕のこと!?」
5_6 レノ「なっ!!!」
5_7 アルバ「・・・シャドウ・・・」
5_8 シャドウ「ふふふっ・・・おはようアルバ、それにダテメガネ、朝のはずなのに夜みたいに暗いねこの街は・・・」
5_9 アルバ「今頃、言うまでも無いことだろ・・・」
5_10 シャドウ「それもそうだね、」
5_11 レノ「イヴちゃんはどこだ!!?」
5_12 シャドウ「イヴ? あぁーアルバの妹ね、見ない間にずいぶん大きくなってたね、」
5_13 アルバ「見ない・・間?」
5_14 シャドウ「妹はここだよ、」
SE:バッとカーテンを開けた
5_15 アルバ「イヴ!!!」
5_16 レノ「イヴちゃん!!」
5_17 シャドウ「今は暴れないように眠らせているけど・・・けっこう大人しいね、この子・・・」
5_18 アルバ「妹に、イヴになにもしていないだろうな!!?」<怒り
5_19 シャドウ「何もしてないよ、でもこれからするかも、・・・君の泣き顔や怒る顔を見るために・・・ふふっ・・・」
5_20 レノ「んのやろぉー!!」<怒り
5_21 アルバ「まて、・・・レノ、イヴを頼む・・・」<冷静に
5_22 レノ「えっ!? でもアイツは、・・・結構強いんだぞ!? 俺はアイツを剣でやりあったから!! 俺が!!」
5_23 シャドウ「うん。 僕は強いよ・・・君と反対だ・・・こんな所で負けたら、妹の命もないのに・・・ねぇ?」
5_24 アルバ「反対なら勝てる・・・僕の影だ、僕自身が良く知っている・・・!」
SE:アルバは剣を振り下ろし、シャドウに向かって走り出す
5_25 アルバ「レノはイヴを!!」
5_26 レノ「あっおい!・・・・・・お兄さんだな・・・」
SE:キーンキーンと剣と剣がぶつかる音、
5_27 シャドウ「来たね、」
5_28 アルバ「当たり前、・・・はっ!!」
5_29 シャドウ「君は逃げるかと思ったんだけど・・・違ったみたいだ、・・・ふん・・・」
5_30 アルバ「んなわけないだろ? うっ・・・くっ・・・はぁぁ!!」
5_31 シャドウ「ふん。そう?でも・・・まだまだだよ・・・」
SE:キーンキーンと剣と剣がぶつかる音、
5_32 アルバ「はっ!!・・・・・・くっ!! はぁー!!・・・・」
5_33 シャドウ「ふん、あまいって、はぁっ!!・・・・・・ん!?・・・なぜ僕が君の前にいるかって? はっ・・・馬鹿げてる・・・・・・」
5_34 アルバ「えっ?・・・何?・・・うっ!!」
5_35 シャドウ「ふん・・・君の考えていることはわかっているよ、僕がいったいなんなのか、なんで影なのか・・・てね、」
5_36 アルバ「・・・ふん・・・じゃぁー 話が早いやぃ・・・くっ! ・・・教えてもらおうかな・・・」
5_37 シャドウ「ふふっ・・・僕は君で君じゃない、光があるなら必ず影があるように・・・・・・」
5_38 アルバ「ん? どうゆう・・こと・・・? うっ!!」
5_39 シャドウ「ふふふっ・・・」
5_40 アルバ「くそっ・・・んっ はぁっ!!」
SE:キーンと剣と剣がぶつかる音、
5_41 シャドウ「ぐっ!?・・つぅ・・・はぁ、はぁ・・・ふふっ、覚えてる? 数ヶ月前だいたいこの街が極夜都市になったの日のことだ、」
5_42 アルバ「極夜?・・・太陽が昇らなくなった日・・・その日は・・・うっ!」
5_43 シャドウ「そう、君はその時の一瞬の記憶がないみたいだけど・・・覚えているかな?・・・ふん・・・」
5_44 アルバ「太陽が昇らなくなった日・・・僕たちの父さんと・・・ぐっ! 母さんが・・・うぅ・・・」
5_45 シャドウ「火事で亡くなった日、だろ? 君はそのときに感じた感情のこと覚えてる?・・・はぁっ!!」
5_46 アルバ「僕は・・・その時・・・うっ!・・・いったい・・・・・・うわっ!!」
5_47 シャドウ「ふん・・・その瞬間に僕が君から生まれたんだよ、アルバ、」
5_48 アルバ「えっ!!? シャドウが!!?」
5_49 シャドウ「ふふふっ・・・そうだよ、アルバ! 僕はその時の君の悲しみ! 憎しみでできた! 君の心の影だよ・・・だから反対なんだ・・・はっ!!」
SE:キーンと剣と剣がぶつり、アルバ少し立ちくらみをする。足がふらつく。
5_50 アルバ「ぐっ!!・・・うっ・・・・・・暗くて・・・うまく戦えないや・・・」<少し弱弱しく
5_51 レノ「アルバ!!」
SE:シャドウが走って近づいてくる
5_52 シャドウ「ふはははっ・・・!! だから僕は好きだよ、愛しいよ・・・アルバ! そして・・・妬ましい・・・」
5_53 アルバ「んっ!? ・・・どうしてさ? 僕は何も・・・」
5_54 シャドウ「僕は君で、君じゃないから・・・・・・」<言葉をさえぎり、冷たく
5_55 アルバ「僕は君で、君じゃない・・・?」
5_56 レノ「あぶない!!!」
SE:シャドウがアルバの腹を蹴飛ばし、壁に体がぶつかった、
5_57 アルバ「ぐはっ!!・・・うっ・・・ごほっ!ごほっ!・・・ごほっ!・・・ふっ・・・」<せきこむ
SE:剣を引きずりながらシャドウがアルバに向かってくる
5_58 シャドウ「なーんだ、もう終わり? 男のくせに、弱いなぁー・・・ねぇ?」
5_59 アルバ「うっせー・・・よ・・・ぐっ・・・ごほっ!ごほっ!・・・」
5-60 レノ「立てよ! アルバ!!」
5_61 シャドウ「ほぉーら、ダテメガネがアルバのくたばるところが見たくないみたいだ、どうするの? もう君の妹に手を出していいのかな?」
5_62 アルバ「ふん・・・まぁ・・・あせんなよ・・・お前との最終回は早いと・・・ごほっ・・・嫌・・・だろ?・・・くっ・・・」
5_63 シャドウ「ふん・・・ほざけ、そんな体で・・・大丈夫なの・・・?」
5_64 アルバ「ぐっ・・・・・・少し質問がある・・・なぜ、アンタは・・・シャドウは僕にそんなことをする?・・・自分自身を見ろよ・・・ごほっ!!くっ・・・お前・・・本当は怖いんだろ・・・?」
5_65 シャドウ「!!・・・うるさい!!・・・僕はね、君が好きなんだよ? だから僕は君を染める・・・アルバが僕のことが嫌いだからだよ・・・?」
5_66 アルバ「シャドウ・・・アンタは・・・いったい何が目的なんだ・・・?」
5_67 シャドウ「僕は・・・僕は、アンタなのに・・・この思いは消えない・・・」<少し寂しそうに
5_68 アルバ「えっ?」
SE:少しの間
5_69 レノ「今だ!! アルバ!!」
5_70 アルバ「ん!? つっ・・・はぁぁぁぁ!!」<叫ぶ
SE:シャドウは剣を落とし、地面に剣が突き刺さる。シャドウはすごい音で倒れた、
5_71 シャドウ「ぐはっ!!・・・痛っ・・・クソッ・・・・・・」
SE:アルバは立ち上がり、シャドウに向かって歩く
5_72 シャドウ「・・・やるならやれば・・・? アルバに殺されるのならいいよ・・・」
5_73 アルバ「・・・どうして・・・」
5_74 シャドウ「ん? 何が?」
5_75 アルバ「どうせ嘘なんだろ・・・? 僕にはわかる・・・君はどうしてイヴを殺さなかった・・・」
5_76 シャドウ「嘘? だから言っただろ?アルバの泣き顔や怒る顔を見るために・・・」
5_77 アルバ「なら、先にイヴを殺して僕の前につきだせば、すぐに見えただろ・・・僕が本当に泣いたり怒ったりするのは影のアンタならよく分かるはずだ・・・」
5_78 シャドウ「あっ・・・ふん・・・そうだね、そうだったよ、」
5_79 アルバ「本当に君が・・・僕が好きで、妬ましい・・・その理由はなんだ? 言え!」
5_80 シャドウ「・・・僕は君で君じゃないから・・・僕が生まれて、君を知ったとき、君はこんなに明るくは無かった、僕が愛したのは独りぼっちの君だ・・・」
5_81 レノ「独りぼっち・・・?」
5_82 シャドウ「そう、僕はその時のアルバと一緒、本体から離れ、居場所がなかった、でも、そんな君にはすぐに暖かい居場所や人々に囲まれて・・・とても・・・とても幸せそうだった・・・」
5_83 アルバ「んっ・・・僕は・・・」
5_84 シャドウ「・・・でも僕は君と別、そんな君を見ていたら妬ましくなってね、僕が君の変わりになれたら・・・なんてね・・・」
5_85 アルバ「僕の・・・変わり・・・でも、それでも!・・・そんなことをして・・・君は本当に自分らしく生きていくことは・・・できない・・・君は弱い・・・」
5_86 シャドウ「そう・・・かも・・・ね・・・痛っ・・・だって、アルバ、君には・・・守るべき人が・・・いる、もんな、当たり前だろ・・・な・・・ぐっ・・・」
5_87 アルバ「お前は・・・寂しいんだろ・・・?」
5_88 シャドウ「それは違う。」
5_89 アルバ「いや・・・寂しいんだ・・・一人でいたから・・・それでシャドウは・・・」
5_90 シャドウ「違う!!」<言葉をさえぎって、叫ぶ
SE:アルバはシャドウに手を出した
5_91 アルバ「・・・帰ろう・・・シャドウ・・・」
5_92 シャドウ「・・・えっ?」
5_93 アルバ「シャドウはもう一人の僕なんだ、君は君で、僕ではないけど、一人の僕なんだ・・・この巡り来る世界の中で・・・僕は両親と過ごした幸せを失った・・・でも、それは悲しみ、憎しみで消えるとか、そんなんじゃない!・・・それで君が生まれたのだろうけど・・・幸せは些細なこととか、小さなことで良いから、自分たちで見つけるものなんだ・・・これからは一緒にいよう。 そうすれば君にも居場所ができる・・・もう寂しくなんかない。」
5_94 シャドウ「でも・・・僕は・・・今までアルバたちに・・・こんな罪をして・・・僕は・・・影で・・・生きる価値なんか・・・」
5_95 アルバ「違う。 これは僕にも責任があるんだ、・・・・・・帰ろう。 シャドウ・・・」
SE:少しの間
5_96 アルバ「今日から君と僕との・・・始まりだ・・・君がいないと、僕は完璧なアルバにはなれないだろ?」
5_97 シャドウ「・・・そう、だね・・・うん。 ごめん・・・アル・・・バ・・・ありがとう。」
SE:アルバとシャドウは抱き合う格好になり、シャドウはどんどんアルバの中へとキラキラと消えていった・・・
5_98 レノ「・・・アルバ・・・お前・・・」
5_99 アルバ「っ・・・ごめん・・・な・・・レノ、イヴは・・・大丈夫かっ・・・・・・くっ!!」
SE:ばたん!!とアルバはその場で倒れてしまった
5_100 レノ「あっ! アルバ!! しっかりしろ!」
SE:鳥の鳴き声、またアルバは目が覚める。またラッセルのベットの上、
5_101 アルバ「・・・んっ・・・んー・・・ふぅっ! んっ?・・・・・・あれ、また・・・ラッセルのベットの上・・・?」
5_102 アルバ「(終わったんだ・・・また・・・レノにおんぶされてきたのかな・・・んっ?)」<思う
5_103 ラッセル「すーすー・・・」<寝息
5_104 イヴ「ふぅーふぅー・・・」<寝息
5_105 レノ「んっ・・・んー・・・アルバ・・・親友・・・」<寝息と寝言
5_106 アルバ「皆・・・こんなせまいベットで寝て・・・ふぅー・・・風邪でも引いたらどうするんだ・・・ん? なんだ・・・あれ?」
SE:アルバはベットから下りて、窓のカーテンを開く
5_107 アルバ「んっ・・・? !! これって・・・ねぇ! ちょっと起きてよ!! ラッセル! イヴ!! レノ!!! 朝だよ! 朝!!」
5_108 レノ「あは?・・・あはってなんだよぉ・・・新しいあいさつぅ? うぅ〜寒!」
5_109 イヴ「ん〜っ・・・お兄ちゃん・・・? おはよう」
5_110 アルバ「おはよう、イヴ」
5_111 ラッセル「どうしたんだ、アルバ?・・・お前怪我して・・・ん?」
5_112 アルバ「そんなことより早く! 早く外に出ろよ!!」
SE:4人で戸を開けて、外に出た、うっすら雨も降っている
5_113 イヴ「雪が溶けてる・・・明るい・・・」
5_114 レノ「あっ!! 太陽だ!!!」
5_115 ラッセル「・・・夜明けだ・・・・・・」
5_116 イヴ「ねぇ・・・お兄ちゃん、行こう?」
5_117 アルバ「うん。 そうだね、」
5_118 レノ「あっ! 俺も!!」
5_119 ラッセル「・・・久しぶりに洗濯がいっぱいできるな・・・・・・」
SE:4人は水溜りを踏みながら走り出した、頭の上空を鳥が飛んでいく、
5_120 エキストラ少女A「雨だよ! 雨だよ!!」
5_121 エキストラ少年A「光だ! 光だ!! 太陽がでてきてるよ!!」
5_122 エキストラ少年B「あっちょっと水かけんなよぉ!?」
5_123 エキストラ少女A「はははっ・・・はははっ・・・」<笑う
5_124 アルバ「ねぇ・・・ラッセル。」
5_125 ラッセル「ん? どうした? アルバ」
5_126 アルバ「どうしていきなり夜が明けたのかな?」
5_127 ラッセル「・・・昨日、レノから聞いたよ、かなり大変だったみたいだな、・・・そのシャドウってやつがきっと、この街に君と影響していたんだね、」
5_128 アルバ「どうしてなのかな、」
5_129 ラッセル「さぁーね、俺にはまだ分からないことばかりだから、」
5_130 アルバ「そっか・・・僕も・・・そうだね・・・」
SE:離れた広場でイヴとレノが遊んでいる
5_131 イヴ「うわぁー綺麗な雨だよ! 綺麗! 綺麗!! お兄ちゃんも遊ぼ!」
5_132 レノ「火が無くてもあったけー!! うわっ! 雨、冷たてー!! ちょー気持ちいぃ!! はははははっ!!」<笑う
5_133 イヴ「あははははははっ・・・・・・あぁ!虹が見えるよ!」<笑う
5_134 レノ「うわぁーすげぇー!!」
5_135 アルバ「僕ね・・・この街、今までよりもっと好きになったかも、」
5_136 ラッセル「・・・そっか、それはよかったな、」
5_137 アルバ「この街には僕の知らないことばかり・・・僕、家を出ようと思う。 だからラッセル。 よかったらイヴを・・・」
5_138 ラッセル「お前なら大丈夫だ、アルバは強いから、それに、今頃、言うまでも無いことだろ・・・」
5_139 アルバ「うん。 そうだね、僕にはラッセルやイヴ、レノそして・・・シャドウ・・・自分自身。 大切な守るべき人がいるから、僕は幸せで、強くいられるんだ・・・それに・・・! 太陽は必ず、どんな街にも平等にやってくるのだから・・・」
スタッフ、キャストロール。
end_1 アルバ「少年が住む夜だけが続く光の街。 製作、脚本、伊織(いおり)」
end_2 シャドウ「イラスト、 空風 真澄(あきさか ますみ)」
end_3 ラッセル「音楽編集、演出、 大原 薫(おおはらかおる)、高崎ゆずこ(たかさきゆずこ)、小鳥遊 える(たかなしえる)、JEEN(じーん)」
end_4 イヴ「主題歌作曲、ミックス、 聖司(せいじ)」
end_5 レノ「作詞、歌、 コツキミヤ(こつきみや)」
end_6 アルバ「キャスト、アルバ=クライシス、 弐月 なお」
end_7 シャドウ「シャドウ、 小鳥遊 える」
end_8 ラッセル「ラッセル=ザン、 鈴木 憲」
end_9 イヴ「イヴ=クライシス、 浅香 なえ」
end_10 レノ「レノ=ギルバート、 朝霧 恵吏」
end_11 男性A「街の男性、 ナス隊長」
end_12 女性A「街の女性、 kairi」
end_13 少年A「街の少年、 村瀬 響」
end_14 少年B「街の少年、 香月奈久留」
end_15 少女A「街の少女、 mai」
end_15 アルバ「世界は光と闇でできている。 僕たちは闇に飲み込まれてはいけない。 明日という、たしかな希望の光があるかぎり・・・これは、そんな少年が住む、夜だけが続く光の街の物語。」
END